この記事を書いた人: 現役不動産賃貸仲介営業マン|数多くの入居審査を見届けてきました。
この記事でわかること
- 入居審査で本当に見られているもの
- 保証会社には3タイプあり、通りやすさが違うこと
- 審査に落ちやすい人の特徴
- 過去に滞納歴があっても賃貸に住む方法
- 審査は「保証会社」と「オーナー」の2段階あること
- 学生・フリーター・年金受給者など、属性ごとの通りやすさ
- 入居審査にかかる日数と、審査中の電話の意味
はじめに:審査に落ちたら、と不安なあなたへ
「審査に落ちたらどうしよう」——気に入った物件が見つかったとき、多くの人が抱える不安です。特に、過去に家賃を滞納したことがある方、自営業の方、収入に自信がない方は、ドキドキしますよね。
でも、安心してください。審査の仕組みを知っておけば、対策はできます。 そして、たとえ不利な事情があっても、賃貸物件に住む方法はあります。
現役の営業マンとして、審査の裏側を正直にお話しします。これを読めば、不安がぐっと減るはずです。
まず知るべき:保証会社には3つのタイプがある
入居審査の通りやすさは、実はどの「保証会社」が使われるかで大きく変わります。保証会社は大きく3タイプに分かれます。
| タイプ | 特徴 | 審査の厳しさ |
|---|---|---|
| 信販系 | クレジットカード会社系。信用情報を照会する | 一番厳しい |
| 協会系 | 保証会社同士で情報を共有している | 中間 |
| 独立系 | 独自の基準で審査する | 一番通りやすい |
一番厳しいのは「信販系」
信販系は、クレジットカードやローンの支払い履歴(信用情報)を照会します。 だから、過去にカードの引き落としができなかった、ローンの延滞があった、といった履歴があると引っかかりやすいです。
一番通りやすいのは「独立系」
独立系は、信用情報を見ずに独自基準で審査するため、過去に金融トラブルがあった人でも通りやすい傾向があります。
つまり、同じ人でも「どの保証会社の物件か」で審査結果が変わるということ。これは覚えておいて損はありません。
審査で実際に見られているもの
「収入が高ければ通る」と思われがちですが、実際はそうとも限りません。見られているのは、主にこの4つです。
①滞納歴・自己破産などの金融事故
収入よりも、過去の滞納歴や自己破産といった金融事故が重視されます。 特に信販系では、信用情報に傷があると厳しくなります。
②職業・雇用形態
職業によって、通りやすさに順番があります。通りやすい順に並べると、こうです。
公務員 > 会社員(正社員)> 自営業者 > 年金受給者 > 無職
ポイントは「収入の高さ」より「収入の安定性」が見られるということです。
③収入と家賃のバランス
収入そのものより「家賃に対して収入が見合っているか」が大事です。一般的に、家賃は月収(手取り)の3分の1以内が目安とされています。
④連帯保証人・緊急連絡先
連帯保証人や緊急連絡先は、できるだけ近くに住んでいる現役世代が好ましいです。遠方すぎたり高齢すぎたりすると、「もう一人用意してください」と言われることがあります。
属性別|あなたの場合はどうなるか
「自分の状況だと通るのか」が一番知りたいところだと思います。よく相談を受ける属性ごとに整理します。
学生の場合
学生は、むしろ通りやすい部類です。
本人に収入がなくても、親御さんを連帯保証人にする、あるいは契約者を親御さんにすることで審査は通ります。学生専用の物件や、大学と提携している物件も多く、そもそも学生を想定した審査基準になっていることがほとんどです。
注意点があるとすれば、親御さんの収入や勤務状況が見られるということ。本人がしっかりしていても、そこで引っかかるケースはあります。
フリーター・アルバイトの場合
「無理」ではありません。ただし、家賃とのバランスがシビアに見られます。
雇用形態が不安定と判断されるぶん、収入に対する家賃の割合が厳しくチェックされます。同じ収入でも、家賃が低ければ通り、高ければ落ちるということが普通に起きます。
対策は2つ。 ひとつは家賃を下げること。もうひとつは、独立系の保証会社を使う物件を選ぶことです。
年金受給者の場合
年金は収入としては安定しているとみなされます。ただし金額が限られるため、やはり家賃とのバランスが問われます。
また、高齢の方の場合は緊急連絡先を近くに住む現役世代で用意できるかが重要になります。ここが用意できるかどうかで、結果がかなり変わります。
転職したばかりの場合
勤続年数が短いことを不安に思う人は多いのですが、そこまで神経質にならなくて大丈夫です。
内定通知書や雇用契約書があれば、それで判断してもらえるケースがほとんどです。転職直後だから落ちる、ということは基本的にありません。
ただ、転職の合間で無職期間がある場合は事情が変わります。その場合は次の章と、後半の「滞納歴があっても住む方法」を読んでください。
無職・求職中の場合
正直に言うと、本人の収入だけで審査を通すのは難しいです。
ただし、預貯金の残高を示す、親族を契約者にする、連帯保証人を立てるといった方法で通ることはあります。諦める前に、まず正直に相談してください。
意外な落とし穴:自営業者は要注意
ここは意外と知られていないポイントです。
自営業の方は、収入が高くても信販系の審査に落ちることが多いです。
なぜなら、いくら収入が高くても「安定性がない」と判断されるからです。会社員のように毎月決まった給料が入る保証がないため、信販系では不利になりがちです。
自営業の方が審査に不安を感じる場合は、信販系を避けて、独立系の保証会社の物件を狙うのが有効です。
そもそも、入居審査は2種類あります
日数の話をする前に、ひとつ知っておいてほしいことがあります。
入居審査は、1回ではありません。2段階あります。
- ①保証会社の審査……家賃を払える人かどうかを、保証会社が判断します
- ②オーナー審査……大家さんが、この人に貸していいかを判断します
この記事でここまで書いてきた「保証会社のタイプ」や「見られている項目」は、すべて①の話です。でも、①を通過しても、②で止まることがまれにあります。
「保証会社の審査は通りました」と連絡が来た後に、もうひとつ関門があるということです。ここを知らないと、「通ったと思ったのに」と戸惑うことになります。
オーナー審査で見られること
大家さんが判断するので、基準は物件ごとに違います。数字で決まる①とは性格が異なり、**「この物件で、この人に長く住んでもらえるか」**という視点です。
だからこそ、申し込みのときの印象や、記入内容の丁寧さが効いてくることがあります。 空欄だらけの申込書より、きちんと埋まっている申込書のほうが、当然印象はいいです。
数はまれですが、ゼロではありません。「保証会社さえ通ればOK」ではないということだけ、頭に入れておいてください。
入居審査は何日かかるのか
「申し込んだけど、いつ結果が出るの?」——これも本当によく聞かれます。
目安は、7営業日前後(管理会社、保証会社の営業日)
ただし、これより延びることがあります。延びる主な理由は3つです。
- 本人や勤務先への確認の電話が繋がらない
- 申込書の記入内容に不備がある
- 土日祝を挟んだ(保証会社が営業していないため)
審査中にかかってくる電話について
審査の途中で、保証会社から本人に電話がかかってくることがあります。これは落ちるサインではありません。 内容は、申込内容の確認がほとんどです。
- 名前、生年月日などの本人確認
- 勤務先と年収の確認
- 引っ越しの理由
ここで一番多い失敗が、「知らない番号だから出なかった」です。
出ないまま日数が経つと、確認が取れないという理由で審査が止まります。申し込んだ後は、知らない番号でも必ず出てください。 出られなかった場合は、折り返すか、担当の営業マンに連絡すれば対応できます。
結果が遅いときは、営業マンに聞いていい
「催促したら心証が悪くなるのでは」と気を遣う人がいますが、まったく問題ありません。
営業マン側も結果を待っている立場です。遅いと感じたら、遠慮なく状況を聞いてください。むしろ止まっている原因が判明して、早く進むこともあります。
家賃は「手取りの4分の1」に抑えるのが理想
審査の話とは少しずれますが、本当に大事なことなのでお伝えします。
家賃の目安は手取りの3分の1以内とよく言われますが、できれば4分の1に抑えられるとベストです。
なぜなら、審査に通る・通らない以前に、家賃が高すぎると生活が苦しくなるからです。無理して高い家賃の物件に住んでも、結局は滞納してしまい、最悪の場合は追い出されてしまっては元も子もありません。
審査を通すことがゴールではなく、「無理なく払い続けられる物件に住む」ことがゴールです。背伸びしすぎないことが、長い目で見て一番得をします。
【重要】過去に滞納歴があっても、賃貸に住む方法があります
ここが、この記事で一番伝えたいことです。
「家賃を滞納してしまった過去がある」「今の家を追い出されることになってしまった」——そんな事情を抱えている方も、諦める必要はありません。
まず、正直に営業マンに伝えてください
言いづらいかもしれません。でも、事情を正直に話してもらえると、対応が変わります。
- 「過去に家賃を滞納してしまったことがあります」
- 「今の住まいを退去せざるを得なくなりました」
こうした事情を隠したまま審査に進むと、後でわかって落ちてしまうことが多いです。でも、最初に教えてもらえれば、営業マンはそれに合った進め方ができるんです。
営業マンが取る「裏側」の手順
事情を抱えた方の場合、私たちはこういう進め方をします。
1. まず、保証会社の審査を通す 独立系など、その方が通りやすい保証会社で先に審査を通します。
2. 次に、保証会社の指定がない物件を探す 保証会社の審査さえ通っていれば、あとは「保証会社の指定がない物件」を選ぶことで、契約まで進めることができます。
この手順を踏むことで、過去に滞納歴がある方でも、収入が不安定な自営業の方でも、賃貸物件に住むことは十分に可能です。
「もう賃貸は無理かもしれない」と諦めていた方こそ、正直に相談してみてください。道はあります。
まとめ:知識があれば、審査は怖くない
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 保証会社のタイプ | 信販系(厳しい)・協会系・独立系(通りやすい) |
| 見られるもの | 滞納歴・職業の安定性・家賃とのバランス・緊急連絡先 |
| 自営業の注意 | 収入が高くても信販系は不利。独立系を狙う |
| 家賃の目安 | 手取りの3分の1以内、できれば4分の1 |
| 事情がある人 | 正直に相談を。保証会社を先に通す方法がある |
入居審査は、仕組みを知らないと不安なものです。でも、保証会社のタイプを知り、自分に合った進め方をすれば、過度に恐れる必要はありません。
そして何より、不利な事情があっても正直に相談してくれれば、営業マンは力になれます。隠さず話すことが、結果的に一番の近道です。
審査の仕組みでわからない言葉があれば、こちらもどうぞ。
👉 賃貸の専門用語集
同棲・二人入居の審査については、こちらで詳しく解説しています。
👉 カップル同棲の間取りは1LDK?2LDK?徹底解説
物件と契約の見通しが立ったら、引っ越しの準備も忘れずに。費用は複数社の比較で変わります。
この記事が役に立ったら、お部屋探しで不安を抱えているお友達にもシェアしてください。

