北海道の部屋探しで冬に後悔する人の共通点|雪・除雪・1階の落とし穴を現役営業マンが解説

不動産営業の本音

この記事を書いた人: 現役不動産賃貸仲介営業マン|「冬になってから相談に来る」お客様を毎年見ています。

この記事でわかること

  • 北海道の賃貸で、冬が原因で引っ越しに至った3つの実例
  • 賃貸の除雪は誰がやるのか——実態は「9割、入居者」
  • 北海道で1階の物件を選ぶときのデメリット
  • 雪が見えない季節の内見で確認すべきチェックリスト

北海道の物件は、雪がない季節に見ても本当の姿がわかりません

不動産の繁忙期は1〜3月ですが、部屋探し自体は一年中あります。転勤、就職、同棲、いろいろな理由で、夏や秋に部屋を決める人もたくさんいます。

そして——冬になってから「話が違う」と相談に来るお客様も、毎年います。

……現役の営業マンとして、正直に言います。北海道の物件は、雪が積もった状態を見ないと本当の姿がわかりません。

間取りも日当たりも設備も、雪のない季節に確認できます。でも「冬にこの部屋がどうなるか」だけは、見えない。

この記事では、実際に冬が理由で引っ越しに至った3つのケースを紹介しながら、内見のときに何を確認すべきかをまとめます。

北海道の賃貸で冬に後悔した3つの実例

①雪を投げる場所がなくなる

北海道では、雪かきのことを「雪投げ」と言います。文字通り、雪をどこかに投げるからです。

問題は、投げる場所がなくなることです。

特に厳しいのが、共同住宅が密集していて、目の前が細い道路という立地。敷地に余裕がなく、道路も狭いので、雪を積む場所が真冬にはどんどん消えていきます。

そして——車を持っていて、1階が車庫の物件だと、かなり苦労することになります。

車を出すために毎回雪をどかす。でもどかした雪を置く場所がない。シーズンが進むほど状況は悪化していきます。

実際に、それが理由で引っ越しを決めたお客様が私のところに来ました。 部屋自体に不満はなかったのに、雪の置き場だけで住み続けられなくなったんです。

内見で見るポイント

  • 敷地内に雪を積める空きスペースがあるか
  • 目の前の道路の幅(細いほど厳しい)
  • 周囲に空き地や公園があるか
  • 車を持つなら、駐車場から道路までの導線

雪がない季節に見ると「ただの空きスペース」ですが、冬にはここが生命線になります。

②1階は、除雪で窓が半分埋まる

これも道外の人には想像しづらいケースです。

除雪車が通ると、道路の雪は歩道側や敷地側に寄せられます。 その結果どうなるか——1階の窓が、半分埋まります。

こちらも、細い道路に面した1階にお住まいのお客様でした。相談内容はこうです。

  • 除雪が来るたびに窓が埋まる
  • 日が入らないぶん、湿気が高くなる
  • 冬は特に寒い

結局、「2階以上」を条件にして引っ越していただきました。

内見で見るポイント

  • 窓の下端が地面からどれくらいの高さにあるか
  • 建物の前が道路に直接面しているか
  • 除雪した雪が寄せられる方向

③除雪重機の「土場」が近いと、夜中に音がする

これは、知らないと絶対に気づけないやつです。

除雪の重機を保管したり、雪を集めたりする「土場(どば)」という場所があります。この近くの物件は、冬場に夜中の騒音が発生することがあります。

除雪作業は、交通量の少ない深夜から早朝に行われることが多いからです。重機が動き出す時間に、音で目が覚める。

そして厄介なのが——周辺環境や騒音の問題は、重要事項説明では説明されません。 説明義務の対象外だからです。

騒音が原因で、解決できずにやむなく引っ越すという相談も、実はよくあります。

内見で見るポイント

  • 周辺に除雪重機の土場や資材置き場がないか
  • 幹線道路沿いかどうか(除雪の優先順位が高く、夜間作業が入りやすい)
  • 可能なら、物件周辺を少し歩いてみる

これは営業マンに聞いても答えが出ないことがあります。自分の目で周辺を見るのが確実です。

賃貸の除雪は誰がやるのか【答え:9割、あなたです】

北海道の部屋探しで、道外から来る人が一番誤解しているのがここです。

「アパートやマンションなら、雪かきは管理会社がやってくれるんでしょ?」——よく聞かれます。答えはこうです。

現場の実態として、「入居者が自分でやる」が9割です。

残りの1割は、同じ建物か近くに個人オーナー(大家さん)が住んでいて、一緒にやってくれるケース。そして——管理会社が除雪をやってくれる物件は、99%ありません。

「共益費を払ってるんだから」と思うかもしれませんが、共同住宅の玄関前や駐車場の雪かきは、基本的に入居者の仕事です。ここを知らないまま冬を迎えると、初雪の朝に現実を知ることになります。

つまり、確認すべきは「誰がやるか」ではありません

9割が自分でやるのだとしたら、営業マンに聞くべき質問が変わります。

  • 「雪はどこに置けばいいですか?」(敷地内の雪置き場。実例①の通り、ここが一番のトラブル源です)
  • 「自分の除雪範囲はどこまでですか?」(玄関前だけか、駐車場も含むのか、共用部分はどうするのか)
  • 「大家さんは近くに住んでいますか?」(1割の「一緒にやってくれる」物件かどうか。これは当たりです)

道具も自分で用意します

自分でやる前提なら、スコップ(ママさんダンプ)も自分で買うことになります。大した金額ではありませんが、「雪かき道具を置く場所があるか」は地味に大事です。玄関が狭い物件だと、置き場に困ります。

雪がない季節の内見でも確認できること【チェックリスト】

雪が見えなくても、聞けば分かることはたくさんあります。

暖房の種類

灯油・ガス・電気(オール電化)で、冬の光熱費が月1万円以上変わります。募集図面の設備欄に書いてあります。

👉北海道の賃貸、暖房の種類で冬の光熱費は倍変わります|灯油・ガス・オール電化を現役営業マンが比較

都市ガスかプロパンガスか

同じガス暖房でも、都市ガスかプロパンかで請求額が変わります。そしてプロパンの単価は業者が自由に決めています。 内見のときに「ガスの単価表を見せてください」と聞いてください。

👉【札幌】都市ガス物件が多いエリアはどこ?現役営業マンが狙い目の区を教えます

ロードヒーティングの費用と稼働条件

「ロードヒーティング有」は、雪かき不要という意味ではありません。費用負担は冬期だけ別途徴収が最も多く、相場は月3,000〜5,000円。稼働の判断権は大家さん側にあります。

👉「ロードヒーティング付き」でも雪かきはなくなりません|申し込み前に確認すべき3つのこと

電気の契約プラン

ガスの種類は入居後に変えられませんが、電気は賃貸でも自由に選べます。 引っ越しは契約を見直す絶好のタイミングです。

👉 札幌の賃貸、ガス会社は選べません|それでも光熱費を下げられる理由

よくある質問

Q. 賃貸の除雪は誰がやりますか? A. 現場の実態では、9割は入居者が自分でやります。管理会社がやってくれる物件はほぼありません。まれに、近くに住む大家さんが一緒にやってくれる物件があります。確認すべきは「雪をどこに置けるか」と「自分の除雪範囲はどこまでか」です。

Q. 北海道で1階の物件を選ぶデメリットは? A. 除雪で寄せられた雪により窓が埋まることがあります。日が入らず湿気が高くなり、冬は特に寒く感じます。細い道路に面した1階は特に要注意です。

Q. 雪の置き場はどうやって確認しますか? A. 敷地内に雪を積める空きスペースがあるか、目の前の道路が細くないかを見てください。車を持つ場合は、駐車場から道路までの導線も確認を。

Q. 冬に見に行けない場合、どうすればいいですか? A. 営業マンに「冬はどうなりますか」と聞くのが一番早いです。除雪の範囲、ロードヒーティングの稼働、暖房方式は、その場で答えが出ます。

Q. 周辺の騒音は重要事項説明で分かりますか? A. 周辺環境や騒音は説明義務の対象外なので、説明されません。自分で物件周辺を歩いて確認してください。

【最後に】完璧な物件は、存在しません

ここまで注意点ばかり書いてきましたが、最後にどうしても伝えたいことがあります。

すべて完璧な物件など、ないと思っていてください。

仮にあったとしても、住んでいくうちに「ここがこうだったらいいのに」という希望は必ず増えていきます。それが人間です。

だから大事なのは、完璧を探すことではありません。

妥協できる点と、妥協できない点をはっきりさせること。 これに尽きます。

  • 家賃を優先するのか、冬の快適さを優先するのか
  • 都市ガスを取るのか、住みたいエリアを取るのか
  • 1階の安さを取るのか、2階以上の条件を取るのか

この線引きが自分の中でできていれば、部屋探しは一気にスムーズになります。 逆に曖昧なままだと、条件がぶつかったときに決められなくなるし、決めた後も後悔しやすい。

内見に行く前に、一度考えてみてください。「自分が絶対に譲れないのは何か」を。

まとめ

確認すること見るポイント
雪の置き場敷地の空きスペース、道路の幅、車の導線
1階かどうか窓の高さ、道路との距離、除雪の寄せ方向
除雪は誰がやるか9割は入居者。雪の置き場・自分の範囲・道具の置き場を確認
周辺の騒音除雪重機の土場がないか、幹線道路沿いか
暖房の種類募集図面の設備欄
ガスの種類と単価営業マンに単価表を見せてもらう
ロードヒーティング費用負担、稼働条件、敷設範囲

雪のない季節に部屋を決めるのは、悪いことではありません。むしろ繁忙期を避けられる分、じっくり選べるという利点があります。

ただ、雪が見えない季節だからこそ、冬のことを想像しながら見てほしいんです。この記事のチェックリストを持って内見に行けば、それができます。

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