一人暮らし 2026.8.7
この記事を書いた人: 現役不動産賃貸仲介営業マン|札幌で冬の光熱費の相談を毎年受けています。
この記事でわかること
- 北海道の賃貸で使われる暖房の種類と、それぞれの冬の光熱費の目安
- ガス暖房の賃貸で必ず確認すべき「ガスリミット」と「ガス単価表」
- オール電化の賃貸が「高い」だけでなく「寒い」と言われる理由
- 内見のときに営業マンへ聞くべき質問と、その反応で分かること
はじめに:家賃3,000円より、暖房の種類で1万円変わります
部屋探しをしていると、家賃3,000円の違いで何時間も悩みます。当然です、毎月のことですから。
でも——同じ広さの部屋でも、暖房の種類が違うだけで、北海道の冬の光熱費は月1万円以上変わります。
家賃で3,000円粘った人が、暖房費で1万円損している。現場で本当によく見る光景です。
……現役の営業マンとして、正直に言います。賃貸の部屋探しで暖房の種類を確認していない人が、多すぎます。 募集図面に書いてあるのに、間取りと家賃と築年数しか見ていない。
この記事では、灯油・ガス・オール電化の3つの暖房方式について、冬の光熱費がいくらかかるのかと、契約前に何を確認すべきかを解説します。
北海道の賃貸で使われる暖房の種類は3つ
まず、北海道の賃貸物件で使われている暖房の種類を整理します。
- 灯油ストーブ(FF式など。北海道で最も多い)
- ガス暖房(都市ガスまたはプロパンガス)
- 電気暖房・オール電化(蓄熱暖房、パネルヒーターなど)
北海道庁の調査では、使用している暖房器具はストーブ類が8割強、エアコンは2割弱。札幌で最も多いのは灯油ストーブです。
本州の「エアコン暖房で冬を越す」感覚は、北海道では通用しません。 ここが道外から来る人の最初のつまずきポイントです。
前提:北海道の光熱費は全国と別物です
総務省の家計調査(2024年)によると、北海道・東北地域の単身世帯の光熱費は月平均16,962円。全国平均が12,816円なので、4,000円ほど高い計算です。電気代だけで見ても、2024年1月の北海道平均は15,967円で、全国平均より3,500円以上高くなっています。
暖房の種類別|冬の光熱費はいくらかかるか
一人暮らし・単身向け物件を想定した、冬(12〜2月)の目安です。部屋の広さ、断熱性能、在宅時間で大きく変わるので、幅を持って見てください。
灯油ストーブの暖房費:月3,000〜7,000円
暖房の種類で見ると、いちばん安く上がりやすいのが灯油です。 暖房能力も高く、しっかり温まります。
ただし条件次第で跳ね上がります。窓が大きい部屋、断熱の弱い古い物件、在宅時間が長い人だと、月15,000円を超える試算もあります。「灯油だから安心」ではなく、「灯油+部屋の性能」で決まると思ってください。
手間の面では、給油作業が発生します。ポリタンクを運ぶ、灯油を買いに行く、雪の中それをやる。金額に表れないコストがここにあります。
ガス暖房の暖房費:月8,000〜10,000円、場合によっては2万円近く
金額の振れ幅がいちばん大きいのがガス暖房です。 使い方次第で2万円近い請求が来ることもあります。
そしてガス暖房の賃貸では、都市ガスかプロパンガスかで話がまったく変わります。 確認すべきポイントが2つあるので、次の章で詳しく解説します。この記事で一番大事なパートです。
オール電化・電気暖房の暖房費:月11,000〜15,000円
データ上は月11,000円前後、実際の声では「札幌のアパートで一人暮らしなら15,000円くらい」というものもあります。
ただ、金額以上に伝えたいことが2つあります。こちらも後の章で解説します。
ガス暖房の賃貸で確認すべき「ガスリミット」と「ガス単価表」
ここが、この記事で一番読んでほしいところです。
①ガスリミット・ガス定額があるか
ガス暖房の賃貸物件には、冬期のガス代に上限が設定されている「ガスリミット」の物件や、定額制になっている物件があります。
上限があれば、どれだけ寒い月でもそれ以上は請求されません。冬の家計が読めるので、大きな安心材料です。
ただし——ガスの定額制は、かえって損をすることもあります。 在宅時間が短い人、あまり暖房を使わない人だと、使っていない分まで払うことになるからです。「定額=お得」ではありません。自分の生活スタイルと照らして判断してください。
②入居前に「ガス単価表」を見せてもらう
こちらのほうが、より確実な確認方法です。
プロパンガスの価格は、ガス業者が自由に決めているケースがほとんどです。 つまり同じプロパンガスの物件でも、業者が違えば単価が違う。「プロパンだから高い」ではなく、「その業者がいくらに設定しているか」で決まります。
だから、ガスの単価表を見せてもらってください。基本料金がいくらで、1㎥あたりいくらなのか。これは仲介の営業マンに聞けば、必ずわかることです。
※プロパンガスと都市ガスの構造的な違いは、こちらで詳しく解説しています。
👉北海道民、必見!プロパンガス物件の真実!
③この確認を嫌がる営業マンは、信用しないでください
ここは、同業として書くべきか迷いました。でも書きます。
ガス単価表の確認を面倒くさがる、あるいは「わからない」と言う営業マンがいたら、理由は2つに1つです。
ひとつは、あなたが引っ越した後のことを考えていない。契約が取れればそれで終わり、という仕事の仕方をしている人です。
もうひとつは、その物件の広告料が高く、隠してでもその物件で決めてほしいというケース。ガス代が高いことを知られたら、お客さんが他の物件に流れてしまうからです。
どちらにしても、あなたの引っ越しを任せる相手ではありません。大事な引っ越しです。担当を変えてもらうか、別の会社を当たったほうが無難だと思います。
聞くのは失礼でも何でもありません。当然の確認です。
オール電化の賃貸で知っておくべき2つのこと
①オール電化がお得な時代では、なくなってきました
かつては「オール電化=光熱費が安い」というイメージがありました。夜間電力が安く、それを活かせる設計だったからです。
でも、電気代そのものが上がってきた今、その前提が崩れつつあります。 「オール電化だから安心」で決めると、冬の請求書で驚くことになります。
②オール電化の賃貸は「寒い」と言われます
これは住んだ人にしかわからない部分なので、はっきり書いておきます。
電気暖房は、ガスや灯油に比べて温まりにくいことがほとんどです。
暖房をつけているのに、なんとなく肌寒い。設定温度は上げているのに、体感が追いつかない。真冬にこれを味わうのは、正直きついです。
特に、寒がりな人は要注意です。 「金額は多少高くてもいいから、とにかく暖かい部屋がいい」という人は、オール電化の物件は候補から外したほうがいいと思います。逆に、寒さに強くて日中ほとんど家にいない人なら、そこまで問題にならないこともあります。
金額の比較表には絶対に出てこない情報ですが、実際に住む人にとっては、こちらのほうが重要かもしれません。
なお、オール電化の物件でも、電気の契約プランは入居者が自由に選べます。 すでにオール電化に住んでいて電気代に困っている人は、プランの見直しで下がる余地があります。
👉 札幌の賃貸、ガス会社は選べません|それでも光熱費を下げられる理由
内見のときに聞くべき3つの質問
まとめると、営業マンに聞くべきことはこの3つです。
- この物件の暖房は何ですか?(灯油/ガス/電気。ガスなら都市ガスかプロパンガスか)
- ガスリミットや定額はありますか?(ある場合、上限はいくらか)
- ガスの単価表を見せてもらえますか?(基本料金と1㎥あたりの単価)
3つとも、その場か、確認して折り返しで必ず答えが出るものです。遠慮する必要はまったくありません。
よくある質問
Q. 北海道の賃貸で一番安い暖房の種類は? A. 一般的には灯油ストーブが最も安く上がりやすいです。ただし部屋の断熱性能や在宅時間で大きく変わるため、「灯油なら安い」と決めつけないでください。
Q. ガスリミットがある物件を選べば安心ですか? A. 上限があるので使いすぎのリスクは減ります。ただし定額制の場合は、暖房をあまり使わない人だと払いすぎになることがあります。生活スタイル次第です。
Q. オール電化の賃貸は本当に高いですか? A. 電気代が上がっている現在、以前のような割安感は薄れています。加えて、ガスや灯油より温まりにくいという体感の問題もあります。
Q. 暖房の種類はどこで確認できますか? A. 募集図面の設備欄に記載があります。分からなければ、内見のときに営業マンに聞けばその場で分かります。
まとめ:募集図面の「暖房の種類」を見てください
| 暖房の種類 | 冬の光熱費の目安 | 契約前に確認すること |
|---|---|---|
| 灯油ストーブ | 月3,000〜7,000円 | 給油の手間。断熱が弱い部屋だと跳ね上がる |
| ガス暖房 | 月8,000〜10,000円(2万円近くも) | ガスリミット・定額の有無、ガス単価表 |
| オール電化・電気暖房 | 月11,000〜15,000円 | 金額に加えて「温まりにくさ」の許容度 |
暖房の種類は、募集図面の設備欄に書いてあります。内見のときに「これ暖房は何ですか」と聞けば、その場でわかります。
家賃を3,000円下げる交渉より、暖房の種類を確認するほうが、北海道の冬の家計には効きます。 部屋探しのチェックリストに、ひとつ足してください。
この記事が役に立ったら、これから北海道で冬を越すお友達にもシェアしてください。

