賃貸の火災保険は自分で選べる?現役営業マンが指定保険の裏側と注意点を解説

初期費用

この記事を書いた人: 現役不動産賃貸仲介営業マン|火災保険の相談も日々受けています。


この記事でわかること

  • 賃貸で勧められる火災保険の「本当の仕組み」
  • 自分で選んだ保険に入れる可能性はどれくらいか
  • 自分で加入する場合の絶対に外せない注意点
  • 保険料を安くする具体的な方法

はじめに:初期費用の見積もりにある「火災保険料 15,000〜20,000円」

賃貸の初期費用の見積もりを見ると、必ず入っている「火災保険料」。相場は2年で15,000〜20,000円ほどです。

「これって、言われるがまま入るしかないの?」「もっと安い保険じゃダメなの?」——そう思ったことがある方、いい着眼点です。

結論から言うと、火災保険(家財保険)は、条件次第で自分で選んだものに入れる可能性があります。そして、保険料が半分になるケースも実際にあります。

ただし、賃貸ならではのルールと、絶対に守るべき注意点があります。現役の営業マンとして、正確なところをお伝えします。


まず正確に:誰が保険を「指定」しているのか

ネット上には「不動産屋が紹介料目当てで高い保険をゴリ押ししてくる!」という記事がよくあります。でも、現場の実態を正直に言うと——少し違います。

賃貸の仲介営業マンが、家財保険を強く勧めてくることは、あまりありません。 引っ越し業者や電気・WiFiのようなノルマ・紹介料の構造は、火災保険についてはあまり絡んでいないんです。

じゃあ誰が決めているのか。多くの場合、管理会社かオーナーが保険を「指定」しています。 つまり、「この保険に入ってください」という条件は、仲介業者ではなく、物件側(貸す側)が設定しているものなんです。

だから、交渉する相手は仲介営業マンではなく、営業マンを通じて、管理会社・オーナーに確認してもらうのが正しいルートになります。


自分で選んだ保険に入れる?——感覚的には「5割」

「自分で決めた家財保険に入りたい」と申し出るお客様は、実際にいらっしゃいます。

その場合、営業マンが管理会社・オーナーに確認を取ることになりますが、許可が下りる可能性は、私の感覚では5割です。物件やオーナーの方針によって、認められることもあれば、「指定の保険でお願いします」と断られることもあります。

ただ、ここが大事なところです。認められた場合、保険料が半分になるケースも実際にあります。 2年で18,000円の指定保険が、自分で選んだネット型なら9,000円前後になる——初期費用を1万円近く削れる可能性があるわけです。

初期費用をできるだけ抑えたい方は、ダメ元でいいので、仲介営業マンに「自分で加入した火災保険でも大丈夫か、確認してもらえますか?」と聞いてみてください。 確認するだけならタダです。

※初期費用全体の交渉については、こちらで詳しく解説しています。
👉 賃貸の初期費用、総額いくら?内訳と交渉のコツ


【最重要】自分で加入する場合の2つの絶対ルール

許可が下りて自分で加入する場合、ここだけは絶対に守ってください。 どちらも、守らないと大変なことになります。

ルール①:最低限の補償を必ず確認する

オーナー側が保険を求める理由は、あなたの家財のためだけではありません。万が一あなたの部屋から水漏れや火事が起きたとき、建物や他の入居者への損害を補償できるようにするためです。

だから、自分で選ぶ場合も、指定保険と同等の補償——特に借家人賠償責任補償(大家さんへの賠償)と個人賠償責任補償(他の入居者への賠償)の金額を必ず確認してください。管理会社から「借家人賠償◯◯万円以上」といった条件を提示されたら、それを満たすプランを選びます。

「安いから」だけで補償の薄い保険を選ぶと、いざという時にあなた自身が破産級の賠償を背負うことになります。安くする場所と、削ってはいけない場所を間違えないでください。

ルール②:保険の始期日は「契約開始日と同じ日」にする

ここは営業マンとして、声を大にして言いたい実務の落とし穴です。

保険の始期日(補償が始まる日)は、必ず賃貸借契約の契約開始日と同じ日にしてください。

  • 早すぎるとどうなる? → 保険の満了日がずれます。2年契約の物件で保険だけ先に切れる、という管理のズレが生まれます
  • 遅すぎるとどうなる?契約開始日に保険が間に合わず、入居できなくなってしまいます。 火災保険の加入は入居の条件なので、「保険が始まっていない=鍵を渡せない」となるケースがあるんです

自分で加入する自由には、この日付管理の責任がセットです。申し込みの際、始期日の欄は指差し確認するつもりで慎重に。


保険料を安くする方法:比較して選ぶ

自分で加入できることになったら、複数の保険を比較して選びましょう。同等の補償でも、保険会社によって保険料はけっこう違います。

比較サービスとしては、SBIホールディングスが運営するインズウェブがあります。無料で複数社の保険を比べられます。

賃貸の方へ: リンク先は持ち家向けの一括見積もりがメインの画面ですが、ページ内に
「賃貸の方はこちら」
の案内があるので、そこから賃貸向けの比較に進んでください。


【番外】マイホーム購入を控えている方へ

「今は賃貸だけど、数年後には家を買う予定」という方に、先にお伝えしておきたいことがあります。

持ち家の火災保険も、構造は同じです。 ハウスメーカーや住宅ローンを組む銀行から火災保険を紹介されますが、勧められるまま加入すると高くつくことがあります。 実際、紹介された保険から一括見積もりで比較し直して、5万円〜10万円安くなったという例もあるくらいです。

持ち家の火災保険は保険期間が長く金額も大きいので、比較の効果は賃貸の比ではありません。マイホーム購入のタイミングが来たら、契約前に必ず一括見積もりで比較してください。 最短3分・無料で最大16社を比べられます。


まとめ:火災保険は「確認するだけタダ」

ポイント内容
指定しているのは誰?仲介業者ではなく、管理会社・オーナー
自分で選べる?確認してもらえば、感覚的に5割は許可が下りる
安くなる幅保険料が半分になるケースも
絶対ルール①借家人賠償など最低限の補償は必ず確認
絶対ルール②始期日=契約開始日。早くても遅くてもダメ
購入予定者持ち家の保険こそ比較を。5〜10万円変わることも

火災保険は、初期費用の中で数少ない「聞くだけで安くなるかもしれない」項目です。ダメなら指定保険に入ればいいだけなので、リスクはゼロ。

「自分で加入した火災保険でも大丈夫か、確認してもらえますか?」——物件が気に入ったら、この一言をぜひ営業マンに伝えてみてください。


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