この記事を書いた人: 現役不動産賃貸仲介営業マン|「入居日からネット使えますか」は毎年繁忙期に必ず聞かれます。
この記事でわかること
- 賃貸で光回線を引くときに立ちはだかる、大家さんの許可という壁
- 「置くだけWi-Fi」が向いている人・向いていない人
- とくとくBBホームWi-Fiの実際の料金と、契約前に知っておくべき落とし穴
- キャッシュバックを取り逃す人が続出する理由
はじめに:入居日にネットが使えない、という現実
「入居日からネット使えますよね?」
繁忙期になると、ほぼ毎日聞かれる質問です。そして毎回、こう答えることになります。「光回線を引くなら、申し込みから開通まで2週間〜1ヶ月は見ておいてください」と。
在宅ワークの人、オンライン授業がある学生さん、単純にネットがないと生活が回らない人——けっこうな確率で顔が曇ります。
……現役の営業マンとして、正直に言います。賃貸のネット環境は、部屋を決めた時点で選択肢がかなり絞られています。 そして光回線が引けない、間に合わないケースは、思っているより多い。
この記事では、その現実と、「置くだけWi-Fi」という代替案について、いいところも悪いところも含めて書きます。
【正直な話】賃貸の光回線には、大家さんの許可が要ります
まず、意外と知られていない前提から。
光回線を新しく引く工事には、原則として大家さん・管理会社の許可が必要です。 建物に配線を通し、部屋の壁に光コンセントを取り付ける——これは建物への工事だからです。
そして許可が下りないことは、実際にあります。
- 築年数が古く、建物に手を入れたくない
- 外壁に穴を開ける工事はNG
- 建物としてすでに別のネット設備が入っている
- そもそも大家さんが工事に消極的
「ネット無料」「インターネット完備」と書かれている物件でも、それが共用の設備で、速度が出ない・混雑時に遅いというケースもあります。この場合、自分で別の回線を引きたくなるわけですが、そこでまた許可の話に戻ってくる。
開通までの時間も読めません
許可が下りたとしても、次は工事の日程です。1〜3月の繁忙期は工事が立て込むので、申し込みから開通まで1ヶ月以上かかることも普通にあります。
北海道の場合、冬期は屋外工事のスケジュールが天候に左右される面もあります。引越しシーズンと積雪期が重なるので、余裕を持った申し込みが必要です。
そこで「置くだけWi-Fi」という選択肢
コンセントに挿すだけで使えるホームルーターは、この問題をまるごと回避できます。
- 工事不要。 だから大家さんの許可も不要
- 端末が届いたその日から使える
- 退去時も、コンセントから抜いて持っていくだけ
賃貸との相性で言えば、正直かなりいいです。特に転勤・短期入居の可能性がある人にとっては、光回線の工事費を払って2年後に引っ越すより合理的です。
とくとくBBホームWi-Fiの中身
数あるホームルーターの中から、GMOとくとくBBのサービスを例に、実際の中身を見てみます。
料金と端末
月額4,620円(税込5,082円)の定額。入会費0円、解約違約金なし、送料0円、事務手数料は3,300円(税込)。端末はZTE Speed Wi-Fi HOME 5G L13で、同時接続32台、下り最大4.2Gbps(5G通信時)。
データ量は無制限ですが、一定期間内に大量のデータ通信があった場合、混雑する時間帯の通信速度を制限する場合があるとされています。「完全に無制限で何をしても速い」ではない点は、押さえておいてください。
賃貸目線で効くポイント
登録先住所以外でも使えるので、実家への帰省や出張先に持っていくこともできます。光回線ではできない使い方です。
もうひとつ、「いつでもあんしん乗り換え保障」という仕組みがあり、契約期間中いつでも違約金なしで光回線に乗り換えられます。光回線の工事が完了するまでの期間もホームルーターを使えるので、ネットが途切れません。
これ、賃貸だと地味に効きます。「とりあえずホームルーターで生活を始めて、落ち着いてから大家さんに光の許可を取りにいく」という段取りが組めるからです。
契約前に知っておくべき落とし穴
いいことばかり書いても仕方ないので、正直に書きます。
①端末代は「36ヶ月使えば実質0円」
端末代33,264円(税込)は36回分割で、分割払い相当分が毎月割引されるので、36ヶ月使えば実質無料になります。
逆に言うと——36ヶ月より前に解約すると、残った端末代を払うことになります。 解約違約金がゼロなのは事実ですが、端末代の残債はまた別の話です。ここを「違約金なし=いつ辞めても無料」と読むと事故ります。
②キャッシュバックは11ヶ月後。しかも自分で手続きが要る
ここが一番の落とし穴です。
キャッシュバックは、端末発送月を含む11ヶ月目に、申込時に新規作成される基本メールアドレス宛に案内メールが届きます。そこから自分で口座情報を登録して、翌月末に振り込まれる流れです。
問題は、その案内メールが「普段使っているアドレス」ではなく、契約時に作られるGMOの基本メールアドレスに届くことです。11ヶ月後、そんなアドレスの存在を覚えている人がどれだけいるか。
案内メールの送信日から翌月末日までに口座の連絡がなかった場合、キャッシュバックは適用されません。
高額キャッシュバックを掲げる代理店のよくある構造です。もらえないわけではないけれど、もらうには11ヶ月後の自分にリマインドを仕掛けておく必要がある。 カレンダーに登録してください。本気で言っています。
③電波が入るかは、住所次第
ホームルーターはモバイル回線を使うので、建物の位置と電波状況によって速度が全然違います。 光回線のように「引けば出る」ものではありません。
申し込み前にエリアの電波状況を確認できるようになっているので、必ず自分の住所で確認してください。鉄筋コンクリートの建物や、窓が少ない部屋だと、同じエリアでも体感が変わります。
④支払いはクレジットカードのみ
支払い方法はクレジットカード払いのみです。口座振替を希望する人は、この時点で対象外になります。学生さんは特に注意してください。
⑤キャンペーン内容は頻繁に変わります
キャッシュバック額も適用期間も、時期によって変わります。この記事に金額を書いても、あなたが読むときには違う可能性が高い。必ず公式ページの現在の条件を確認してください。
向いている人・向いていない人
| 向いている | 向いていない | |
|---|---|---|
| 住まい | 光回線の許可が下りない/設備がない | 光回線が引ける・すでに設備がある |
| 期間 | 転勤・短期入居の可能性がある | 何年も住むのが確実 |
| 使い方 | 動画視聴、Web、リモート会議 | オンラインゲーム、大容量の常時通信 |
| 急ぎ度 | 入居日からすぐ使いたい | 開通まで待てる |
| 支払い | クレジットカードがある | 口座振替しか使えない |
オンラインゲームをガチでやる人には勧めません。 モバイル回線は応答速度(Ping値)で光回線に敵わないので、そこは正直に書いておきます。「光回線の代わり」ではなく「光回線が使えない状況での最適解」という位置づけです。
まとめ:工事できない賃貸の、現実的な答え
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 賃貸の光回線 | 工事に大家さんの許可が必要。下りないことも普通にある |
| 開通まで | 申し込みから2週間〜1ヶ月。繁忙期はさらに延びる |
| 置くだけWi-Fi | 工事不要=許可不要。届いた日から使える |
| 注意点1 | 端末代は36ヶ月使って実質0円。早期解約は残債あり |
| 注意点2 | キャッシュバックは11ヶ月後、自分で手続き。要リマインド |
| 注意点3 | 電波状況は住所次第。申し込み前にエリア確認を |
部屋探しのとき、間取りと家賃は必死に比べるのに、ネット環境は「あとで何とかなる」と後回しにされがちです。でも実際は、後回しにした結果「大家さんの許可が下りませんでした」となってから慌てる人を、毎年見ています。
内見のときに、ひとつ質問を足してください。「この物件、光回線の工事は入れられますか?」
答えがNOだったとき、この記事を思い出してもらえれば十分です。
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