この記事を書いた人: 現役不動産賃貸仲介営業マン|道外から札幌に来られるお客様を、毎年ご案内しています。
この記事でわかること
- 札幌の賃貸にバルコニーなしの物件が多い理由
- 北海道の冬に、外干しを頼りにできない理由
- 室内干しでもちゃんと乾く理由
- 内見で確認したい洗濯まわりの設備3つ
- バルコニー付きが向いている人・向いていない人
「バルコニー付きでお願いします」
道外から札幌へ引っ越してくる方をご案内していると、こう言われることがあります。
もちろん、その希望自体は間違っていません。
ただ、札幌の賃貸探しでは、「バルコニーがあるか」より先に確認してほしいことがあります。
それが——「洗濯物を、どこで乾かすか」です。

札幌の賃貸は、バルコニーなしでも珍しくありません
私が普段取り扱っている単身向け物件では、体感として6〜7割程度がバルコニーなしです。
これはあくまで現場で日々物件を見ている感覚で、公的な統計ではありません。物件検索サイトによっても掲載条件が違うので、正確な割合を出すのは難しいところです。
ただ——道外から来られた方には、意外に感じられるようです。
札幌では「バルコニーなし+室内干し」という住まい方も、珍しくありません。
なぜ札幌ではバルコニーなしの物件が多いのか
理由はいくつか考えられます。
①洗濯物の量が少ない想定だから
単身向けの物件は、そもそも大量の洗濯物を干す前提で作られていません。 一人分の洗濯物なら、室内でも対応できるという考え方です。
②居室の広さや他の設備を優先しているから
バルコニーを設ければ、その分だけ建物の設計や施工に影響します。
札幌では外干しを前提としない住まい方も多いため、バルコニーより居室や収納、室内物干しなどを優先した物件もあります。
限られた面積の中で何を取るか、という設計上の判断ですね。

北海道の冬は、外干しだけを頼りにできません
ここが、この記事で一番伝えたいところです。
バルコニーがあっても、冬に洗濯物を外へ干すのは難しくなります。
雪が降る日が多い。気温が氷点下になれば凍る。日照時間も短い。特に雪や氷点下の日が増える時期は、外干しを安定して使うのが難しくなります。
つまり——バルコニー付きの物件を選んでも、冬の洗濯は室内で完結させることになります。
「室内干しで、ちゃんと乾くの?」
道外から来られる方が一番不安に思うのが、ここだと思います。
結論から言うと、北海道は室内干しと相性がいい土地です。
冬は暖房で室内を暖めるため、空気が乾燥します。 ストーブやパネルヒーターを使っていれば、洗濯物は思ったより早く乾きます。
夏も、本州と比べて湿度が低めです。梅雨がない土地なので、部屋の中でも乾きにくいと感じる場面は多くありません。
つまり——「外に干せない=乾かない」ではありません。
道民の多くが室内干しで生活しているのは、我慢しているからではなく、それで問題なく回っているからです。

夏でも、外干しが万全とは限りません
もうひとつ。夏なら外干しできると思われがちですが、そうとも限りません。
北海道でもしらかば、はんのき、イネ科などの花粉が飛びます。 4月中旬から6月初旬にかけてが飛散の時期です。風の強い日には、埃と混じって外に干した洗濯物に付着します。
森林が多い地域では、虫も気になります。
「夏は外、冬は中」と単純に切り替えられるわけでもないということです。
大切なのは「バルコニー」より「干す場所」
だから、こう考えてください。
「バルコニーがあるかどうか」ではなく、「冬でも洗濯物を乾かせる環境かどうか」で物件を探す。
これが北海道での現実的な部屋探しです。
そして、ここに検索条件を変えるだけで候補が広がるというポイントがあります。
「バルコニーあり」→「室内物干しあり」
実際、札幌にはバルコニーなしだけれど室内物干しが付いているという物件もあります。条件を入れ替えるだけで、選べる物件がかなり変わります。
営業マンが「バルコニーの用途」を聞く理由
現場では、こうお聞きしています。
「バルコニーは、何にお使いですか?」
私がこれを聞くのは、条件を否定したいからではありません。
「バルコニーが必要」なのか、「外に洗濯物を干せればいい」のかで、探すべき物件が変わるからです。
この2つは似ていますが、実はまったく違います。

①洗濯物を外に干したい
この場合は、室内干しの環境が整った物件をご提案します。
前述の通り、外干しは冬に機能しません。バルコニーを探すより、室内で乾かせる設備がある物件を探したほうが、生活しやすくなります。
②夏に外で過ごしたい
この場合は、バルコニー付きの物件をお探しします。
洗濯物とは目的が別なので、素直にバルコニーを条件に入れます。
③エアコンを後付けしたい
この場合は、バルコニーの有無より「設置できる物件かどうか」を確認します。
エアコンの設置には、エアコンスリーブ(配管用の穴)、専用コンセント、室外機の置き場所などが必要です。
バルコニーが室外機置き場になっている物件もありますが、バルコニーがなくても設置できるケースはあります。 逆に、バルコニーがあっても設置条件が整っていないこともあります。
「バルコニーがある=エアコンを付けられる」ではありません。

内見で確認したい洗濯設備3つ
室内干しを前提にするなら、見るべきはバルコニーではありません。 この3つです。
①室内物干しの設備があるか
天井付けの物干し(ホスクリーン系)、壁付けの金具、ハンガーパイプなど。室内に洗濯物を干すための設備が付いているかを見てください。
付いていない場合は、突っ張り棒などを自分で用意する必要があります。 大きな出費ではありませんが、「どこに、どうやって干すか」を入居前に考えておく必要はあります。
②浴室乾燥機があるか
あると生活がかなり変わります。
浴室に換気扇はほとんどの物件に付いています。ただ、換気扇だけだと乾くまでに時間がかかることが多いです。
そして乾燥に時間がかかると、部屋干し臭が気になりやすくなることがあります。
③洗濯物を干せるスペースと、換気ができるか
設備がなくても、干せる場所と換気の経路があれば何とかなります。
- 洗面所や脱衣所に、干すスペースがあるか
- 居室に干す場合、窓を開けたり換気扇を回したりできるか
- 干した洗濯物が生活動線の邪魔にならないか
内見のときに、実際に「ここに干すとどうなるか」を想像してみてください。

【札幌初心者向け】洗濯物、結局どうする?
道外から来られる方向けに、選択肢を整理します。
| 方法 | 冬の実用性 | 初期費用 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| バルコニーで外干し | △ | なし | ★★ |
| 室内物干し | ○ | 小(突っ張り棒など) | ★★★★★ |
| 浴室乾燥機 | ◎ | 物件による | ★★★★★ |
| 除湿機を併用 | ◎ | 中 | ★★★★ |
| 乾燥機付き洗濯機 | ◎ | 大 | ★★★★ |
| コインランドリー | ◎ | 都度必要 | ★★★ |
現実的なのは「室内物干し+浴室乾燥機」の組み合わせです。
乾燥機付き洗濯機が一番確実ではありますが、単身の方は特に、そこまでお金をかけられないケースが多いと思います。 初期費用も家具家電も揃える時期ですから。
買えるなら買う。買えないなら、室内で干せる環境がある物件を選ぶ。 この判断でいいと思います。
バルコニーがある物件は、実際どう使われている?
参考までに、バルコニーがある物件では、こういう使われ方をしています。
- エアコンの室外機置き場
- 夏場の物干し
- ちょっと外に出るスペース
- 稀に、物置が設置されている
バルコニー=外干し専用ではありません。 用途はさまざまです。
バルコニー付きが向いている人・向いていない人
向いている人
- 夏に外で過ごしたい(涼む、植物を置くなど)
- 室外機の置き場所として必要
- 洗濯物を一時的に外に出したい
- 収納の延長として使いたい(物置など)
向いていないかもしれない人
- 目的が「洗濯物を乾かすこと」だけ
- 候補を減らしたくない
- 家賃や広さを優先したい
目的が洗濯物だけなら、バルコニーより室内干しの環境を優先したほうが、選択肢も生活のしやすさも増えます。

室内干しで、もうひとつ気をつけたいこと
室内で洗濯物を干すと、部屋の湿度が上がります。
北海道の冬は、暖房で室内を暖める一方、外気との温度差で窓に結露が発生しやすくなります。 そこに室内干しの湿気が加わると、結露やカビが気になりやすくなります。
だからこそ、浴室乾燥機のように「洗濯物を居室に出さずに乾かせる設備」に価値があります。
居室に干すなら、換気を意識してください。 干しっぱなしで締め切ると、冬の窓周りが大変なことになります。
※北海道の冬の住まいについては、こちらもどうぞ。
👉 北海道の賃貸で冬に後悔しない|雪・除雪・1階の注意点
よくある質問
Q. 札幌の賃貸に、バルコニーは必要ですか?
A. 目的によります。夏に外で過ごしたい、布団を干したいなら価値があります。洗濯物が目的なら、室内干しの環境を優先したほうが現実的です。
Q. 北海道では洗濯物を外に干さないのですか?
A. 夏場に干す方はいます。ただし冬は雪と気温の関係で難しくなるため、冬でも乾かせる環境を前提に考えるのが現実的です。
Q. バルコニーなしの物件でもエアコンは付けられますか?
A. 付けられる物件はあります。ただしエアコンスリーブ、専用コンセント、室外機の設置場所などの確認が必要です。「バルコニーがある=エアコンを付けられる」ではないので、内見時に確認してください。
Q. 室内干しで、ちゃんと乾きますか?
A. 乾きます。冬は暖房で室内が乾燥しますし、夏も本州に比べて湿度が低めです。「外に干せない=乾かない」ではありません。
Q. 浴室乾燥機は必須ですか?
A. 必須ではありませんが、あると冬の生活が楽になります。ない場合は、室内物干しの設備や乾燥機付き洗濯機で対応することになります。
Q. 室内物干しが付いていない物件はどうすればいいですか?
A. 突っ張り棒などを自分で用意することになります。設置できる場所があるか、内見のときに確認してください。

まとめ:見るべきはバルコニーではなく「干せる環境」
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| バルコニーの有無 | 単身向けはなしの物件も多い(現場の体感) |
| ない理由 | 洗濯物が少ない想定、居室や他の設備を優先 |
| 冬の外干し | 雪と気温の関係で、安定して使うのは難しい |
| 確認すべき設備 | 室内物干し、浴室乾燥機、干せるスペースと換気 |
| 検索のコツ | 「バルコニーあり」→「室内物干しあり」で候補が広がる |
| 注意点 | 室内干しは湿度が上がる。冬は結露にも注意 |
バルコニーに洗濯物は干せます。でも、冬は雪が降る日が多く、安定して干すのは難しくなります。
だから、「冬でも洗濯物を乾かせる環境」を前提に物件を探してください。
道外から来られる方には、この一点だけでも知っておいてほしいです。「バルコニー付き」で候補を絞る前に、「どこに干すか」を考えてみてください。
そのほうが、選べる物件も増えて、冬の生活も楽になります。
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