この記事を書いた人: 現役不動産賃貸仲介営業マン|札幌の物件、年間何百件も案内しています。
この記事でわかること
- 北海道のプロパンガス料金の平均(公的な調査データ)
- プロパンでもガス代を抑える3つの方法
- ガス料金の上限プランで、確認しなければいけないこと
- ガス料金表を見せてもらえないときに使える制度
- 家賃だけで比べると損をする理由
都市ガス物件が見つからなかった方へ
当サイトでは、札幌市の都市ガス物件について、区ごと・駅ごとにまとめてきました。
ただ、正直なところをお伝えします。
札幌市内でも、都市ガス物件の見つけやすさは駅やエリアによって大きく異なります。希望する駅・家賃・間取りを組み合わせると、都市ガス物件がなかなか見つからないこともあります。
そんなときに、プロパンガスというだけで候補から外す必要はありません。
設備と料金体系まで比較すれば、プロパンでもガス代を抑えられます。
この記事では、その方法を3つ紹介します。
【前提】北海道のプロパンガス、平均はいくら?
対策の前に、判断の基準を持っておいてください。
これは体感ではなく、公的な調査データです。
石油情報センター(日本エネルギー経済研究所)が公表している、2026年8月時点の北海道のLPガス一般小売価格がこちらです。
| 使用量 | 料金(基本料金・税込) |
|---|---|
| 基本料金 | 2,308円 |
| 5㎥ | 7,329円 |
| 10㎥ | 12,052円 |
| 20㎥ | 21,000円 |
| 50㎥ | 46,432円 |
従量単価に換算すると
基本料金を差し引いて計算すると、こうなります。
| 使用量 | 1㎥あたりの平均単価 |
|---|---|
| 5㎥ | 約1,004円 |
| 10㎥ | 約974円 |
| 20㎥ | 約935円 |
| 50㎥ | 約883円 |
ここで注意してください。
この金額は「その使用量まで使ったときの平均単価」であって、料金表に書かれている単価がこの数字だという意味ではありません。
実際の料金体系はガス会社によって異なります。段階ごとに単価が変わる物件もあります。
覚えておく目安
基本料金 = 2,300円くらい 従量単価 = 900〜1,000円/㎥くらい
これが北海道の平均の目安です。
後述する料金表を見たときに、この数字と比べてください。大きく上回っていれば、割高な物件だと判断できます。
2025年4月から、料金表の書き方が変わりました
知っておいてほしい制度があります。
2025年4月2日から、LPガス料金の表示・計上方法について新しいルールが施行されました。いわゆる三部料金制の徹底です。
料金は、この3つに区分して表示されることになっています。
- 基本料金
- 従量料金
- 設備料金
これまでは、給湯器やエアコンなどの設備費用がガス料金に上乗せされていて、内訳が分からないケースがありました。それを分けて表示するルールです。
契約前には、この3つの内訳を確認してください。
方法① エコジョーズ付きの物件を探す
最初の方法です。
エコジョーズは、従来の給湯器より効率よくお湯を沸かせる給湯器です。メーカーは熱効率を約95%と公表しています。
同じ量のお湯を使っても、消費するガスが少なくて済む、という仕組みです。
プロパンの物件にも付いています
ここが重要です。
エコジョーズは都市ガス専用の設備ではありません。プロパンガスの物件にも付いています。
つまり、都市ガスが見つからなくても、エコジョーズ付きを探すという手が残っています。
見分け方:募集図面の設備欄
募集図面の設備欄に、こう書かれていることが多いです。
給湯器(エコジョーズ)
設備欄を見れば分かります。書かれていなければ、仲介会社に確認してください。
どのくらい違う?
私が現場で見ている感覚では、年間で1万円から2万円ほど変わる計算になります。
ただし、これは私の体感です。実際の節約額は、お湯の使用量・ガスの単価・給湯専用か暖房兼用かによって変わります。
同じエコジョーズでも、ほとんどお湯を使わない方なら差は小さくなります。
付いている物件はどのくらい?
私が扱っている物件の体感では、2割程度です。
多くはありませんが、「エコジョーズ付きで探してください」と伝えれば絞り込めます。条件に加える価値は十分にあります。
方法② ガス料金に上限・定額のある物件を探す
2つ目の方法です。そして、北海道ではこれが一番大きいかもしれません。
ガスリミット、ガス定額プランなど、呼び方はいくつかあります。
仕組み
プロパンガスの料金に上限が設定され、一定の使用量を超えてガスを使っても、それ以上料金が上がらないという仕組みです。
上限の金額は、1万2千円から1万5千円くらいが多い印象です。
【重要】名称だけで判断しないでください
ここが一番の注意点です。
「上限あり」「定額」と言われても、料金の仕組みは物件によって違います。
| 料金方式 | 仕組みの例 |
|---|---|
| 上限付き料金 | 使用量に応じて増えるが、対象料金に上限がある |
| 完全定額料金 | 使用量にかかわらず一定額を払う |
| 段階制料金 | 一定使用量を超えると従量単価が変わる |
さらに、上限が適用される範囲も確認してください。
- 基本料金を含めた総額に上限があるのか、従量料金だけなのか
- 給湯だけが対象なのか、暖房も対象なのか
ここが違うと、結果がまったく変わります。
上限があると、冬にどう効くか
仕組みのイメージをつかむために、試算してみます。
北海道の平均価格と同じ単価で、上限だけ1万5千円に設定されている物件があったとします。
| 月の使用量 | 上限なし(平均価格) | 上限1.5万円の場合 | 差 |
|---|---|---|---|
| 10㎥ | 12,052円 | 12,052円 | なし |
| 20㎥ | 21,000円 | 15,000円 | 約6,000円 |
| 50㎥ | 46,432円 | 15,000円 | 約31,000円 |
※これは仕組みを説明するための仮の試算です。同じ単価体系で上限だけを設けた場合を想定しています。実際の上限付きプランは単価自体が異なる可能性があるため、この金額がそのまま削減額になるわけではありません。
使用量が少ない月は、上限に届きません。だから差は出ません。
でも、使用量が増える月ほど、上限の意味が大きくなります。
北海道の冬は、使用量が跳ね上がります
ここが北海道特有の事情です。
本州なら、ガスを使うのは主に給湯だけです。使用量が極端に増える月はそれほどありません。
でも北海道では、ガス暖房の物件だと、冬はストーブをかなり焚きます。使用量が夏の数倍になることも珍しくありません。
つまり、上限がある物件とない物件で、冬の請求額の振れ幅がまったく違ってきます。
上限がない物件:使った分だけ請求される 上限がある物件:どれだけ焚いても、上限で止まる
冬の光熱費が読めるというのは、それだけで価値があります。
損をする可能性がある人
一方で、こういう方は損をする可能性があります。
- あまり料理をしない
- 一人暮らしで、ガスの使用量が少ない
- シャワーだけで、湯船にお湯を張らない
上限が設定されている物件は、もともとのガス単価が高めに設定されているケースが多いです。上限というのは、ガス会社から見ればリスクだからです。
単価が高めなのに、上限に届くほど使わない。この場合、通常の料金プランより高くつきます。
ただし、北海道では年間で見てください
夏場は損をしていても、冬の暖房で取り返す。だから、年間を通して見れば、あまり損にならないことが多い。これが私の感覚です。
月単位で見ると、夏は損をするかもしれない。 年間で見ると、冬の分で取り返せることが多い。
契約期間は普通2年です。月ではなく、年間で考えてください。
ただし、これは暖房がガスの場合の話です。
方法③ プロパン給湯+灯油暖房の物件を探す
3つ目の方法です。これは意外と知られていません。
北海道の賃貸には、給湯はプロパンガス、暖房は灯油という物件があります。
なぜこれが効くのか
考え方はシンプルです。
ガス代が高くなる一番の原因は、冬の暖房です。暖房にガスを使わなければ、ガスの使用量は給湯の分だけで済みます。
| 設備の組み合わせ | 冬のガス使用量 |
|---|---|
| プロパン給湯+プロパン暖房 | 大きく増える |
| プロパン給湯+灯油暖房 | ほとんど増えない |
つまり、プロパンの単価が多少高くても、使用量が増えなければ請求額は跳ねません。
ただし、灯油代がかかります
当然ですが、暖房費がゼロになるわけではありません。ガス代が灯油代に移るだけです。
だから比較するのは、ガス代+灯油代の合計です。
灯油は価格が変動しますし、暖房の使い方によっても変わります。暖房方式ごとの光熱費については、こちらにまとめています。

確認すること
募集図面の設備欄で、給湯と暖房を分けて確認してください。
- 給湯:都市ガス/プロパンガス/電気
- 暖房:ガス/灯油/電気
この2つはセットで見ないと、光熱費は判断できません。
【最重要】契約前に、ガス料金表を見せてもらってください
ここまで3つの方法を書いてきましたが、全部の前提になるのがこれです。
何を見るか
料金表には、主にこの3つが書かれています。
- 基本料金(毎月かかる固定費)
- 従量料金(1㎥あたりの使用料金)
- 設備料金(2025年4月から区分表示)
先ほどの北海道の平均と比べてください。
| 項目 | 北海道の平均の目安(2026年8月) | 判断 |
|---|---|---|
| 基本料金 | 2,308円 | 大きく上回っていないか |
| 従量単価 | 900〜1,000円/㎥ | 大きく上回っていないか |
平均を大きく超えていれば、割高な物件です。
逆に平均並み、あるいは下回っていれば、プロパンでもそれほど心配は要りません。
プロパンの単価は、ガス会社が決めています
都市ガスと違い、プロパンガスの単価はガス会社が自由に決められます。
だから、同じプロパンでも物件によって金額が大きく変わります。「プロパンだから高い」のではなく、「その物件のプロパンが高いかどうか」が問題です。
これを確認せずに契約するのは、家賃を知らずに契約するのと同じです。

ガス料金を教えてもらえない場合は?契約前に確認できる制度があります
「料金表は分かりません」と言われることがあるかもしれません。
管理会社への確認に時間がかかる、料金表が更新中である、といった事情もあります。ただ、そのまま契約を急ぐ必要はありません。
2024年7月から、制度が変わりました
LPガスの取引適正化に向けて、2024年7月2日から新しいルールが施行されています。
賃貸住宅の入居希望者に対して、LPガス料金を契約前に示すことが努力義務になりました。入居希望者本人に直接示すほか、オーナー・管理会社・仲介会社を通じて示すことが求められています。
そしてもうひとつ。
入居希望者がLPガス事業者に直接情報提供を求めた場合、事業者はそれに応じる義務があります。
つまり、こういうことです
仲介会社ですぐに確認できなければ、管理会社に確認してもらう。 それでも分からなければ、そのLPガス事業者に直接聞くことができる。
料金が確認できないまま契約する必要はありません。
営業マンに伝える言い方
こう聞いてください。
「この物件のガス料金表を見せてもらえますか?」
嫌がられることではありません。制度としても、示すことが求められている情報です。
すぐに動いてくれる営業マンは、信頼できると考えていいと思います。
【実例】家賃だけで比べると、逆転します
最後に、判断のしかたをお見せします。
家賃だけを見て決めると、こういうことが起こります。
| 項目 | 物件A | 物件B |
|---|---|---|
| 家賃 | 45,000円 | 48,000円 |
| ガスの種類 | プロパン | 都市ガス |
| 月平均のガス代(仮定) | 12,000円 | 7,000円 |
| 家賃+ガス代 | 57,000円 | 55,000円 |
| 年間合計 | 684,000円 | 660,000円 |
※金額は比較のしかたを説明するための仮定であり、実際の相場ではありません。暖房費や電気代は含みません。
家賃だけなら物件Aが3,000円安い。
でもガス代を足すと、物件Bのほうが月2,000円安くなります。年間で24,000円、2年住めば48,000円の差です。
比べるのは家賃ではなく、家賃+光熱費です。
この視点を持つだけで、物件選びの結果が変わります。
それでも都市ガスを優先したいなら
ここまで読んで、「やっぱり都市ガスで探したい」と思われたかもしれません。
その場合は、エリアを広げるという選択肢があります。都市ガスは地域に密集するので、同じ路線の隣の駅なら見つかる、ということがよくあります。


よくある質問
Q. プロパンガスの賃貸はやめたほうがいいですか?
A. そうとは限りません。プロパンでも、エコジョーズ付き、料金の上限あり、暖房が灯油といった条件なら、負担を抑えられます。料金表を確認したうえで判断してください。
Q. エコジョーズは自分で取り付けられますか?
A. 賃貸では基本的にできません。すでに付いている物件を探す形になります。募集図面の設備欄を確認してください。
Q. エコジョーズは都市ガス専用ですか?
A. 違います。プロパンガスの物件にも付いています。
Q. ガス料金の上限は本当にお得ですか?
A. 使用量によります。上限付きの物件は単価が高めに設定されていることが多いため、使用量が少ない方は損をする可能性があります。ガス暖房で冬の使用量が増える場合は、有利に働きやすくなります。
Q. 上限は何に対してかかるのですか?
A. 物件によって違います。基本料金を含めた総額なのか従量料金だけなのか、給湯だけなのか暖房も含むのか、必ず確認してください。
Q. 料金表がもらえない場合はどうすればいいですか?
A. 2024年7月から、入居希望者がLPガス事業者に直接情報提供を求めた場合、事業者は応じる義務があります。仲介会社や管理会社で分からなければ、ガス事業者に直接確認できます。
Q. 設備料金というのは何ですか?
A. 給湯器などの設備にかかる費用です。2025年4月から、ガス料金とは区分して表示するルールになりました。内訳を確認してください。
まとめ|都市ガスが見つからなくても、打つ手はあります
| 方法 | 内容 | 確認方法 |
|---|---|---|
| ① エコジョーズ | 給湯の効率が高い。プロパン物件にもある | 募集図面の設備欄 |
| ② 料金の上限・定額 | 冬の請求額が読める。単価は高めのことが多い | 上限の適用範囲を仲介会社に確認 |
| ③ プロパン給湯+灯油暖房 | 冬のガス使用量が増えない | 給湯と暖房を分けて確認 |
| 共通の前提 | ガス料金表を見せてもらう | 基本料金・従量料金・設備料金の内訳 |
都市ガス物件は、エリアや条件によっては見つけにくくなります。
でも、プロパンだから諦める必要はありません。設備、料金の仕組み、そして暖房方式。この3つを確認するだけで、冬のガス代はかなり変わります。
そして何より、契約前に料金表を見せてもらってください。制度としても、示すことが求められている情報です。
家賃だけでなく、家賃+光熱費で比べる。それが、北海道で部屋を選ぶときの基本です。
参考
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