「空き予定でも申し込みが入ります」は本当?現役営業マンが7つの条件で答えます

不動産営業の本音

この記事を書いた人: 現役不動産賃貸仲介営業マン|この言葉を、実際に使う側の人間です。

この記事でわかること

  • 空き予定の物件に、内見前の申し込みが入るのは本当か
  • 内見前に決まりやすい物件の7つの条件
  • 営業マンに何と聞けば、本当かどうか分かるか
  • 「先行申込」と「先行契約」の決定的な違い
  • 内見できなくても確認できること

その言葉、営業トークじゃないの?

「この物件、空き予定ですが申し込みが入る可能性が高いです」

部屋探しをしていると、言われたことがあるかもしれません。

まだ前の入居者が住んでいて、内見もできない。それなのに「早く決めたほうがいい」と言われる。

急かされている気がする。 そう感じる方は多いと思います。

……現役の営業マンとして、正直に書きます。この言葉を実際に使う側の人間として。

【結論】本当です。ただし、全部の物件ではありません

先に答えを書きます。

繁忙期(1〜3月)なら、空き予定での申し込みは日常です。 内見を待っている間に決まってしまうことが、普通に起きます。そして条件次第では、繁忙期でなくてもよくあります。

ただし——すべての物件がそうなるわけではありません。

「空き予定でも埋まる物件」と「そうでない物件」には、はっきりした違いがあります。

内見前に決まりやすい7つの条件

現場の感覚として、この条件に当てはまる物件は動きが早いです。

単身でもファミリーでも強い条件

  1. 都市ガス
  2. エアコン付き
  3. 築15年以内
  4. 地下鉄の駅から徒歩7分以内
  5. 周りの同条件の物件より割安

ファミリー向けなら、さらに強い条件

  1. 3LDK
  2. 駐車場が2台契約できる

3つ以上重なると、動きが早くなります

私の営業経験では、この7条件のうち3つ以上が重なる物件は、空き予定の段階からかなり動きが早くなります。

もちろん「3つあれば必ず決まる」という意味ではありません。時期・エリア・賃料によって変わります。

ただ——内見できるようになるまで残っているとは限らない物件だと考えています。

なぜこの条件なのか

どれも、札幌で探している人の多くが条件に入れるものだからです。

都市ガスは冬の光熱費に直結します。エアコン付きは後から自分で設置する手間と費用が要りません。駐車場2台は、車社会の北海道では家族世帯の必須条件になりやすい。

つまり、この7つは「みんなが欲しがるもの」のリストです。 欲しがる人が多ければ、競争になる。それだけの話です。

※都市ガスの物件がどのエリアに多いかは、こちらでまとめています。
👉 【札幌】都市ガス物件が多いエリアはどこ?

土日祝は、特に動きます

もうひとつの判断材料です。

内見や問い合わせが集中しやすいため、金曜日に残っていた物件が週末で決まることは珍しくありません。

ただし、平日なら安全という意味ではありません。 今はネットから24時間、問い合わせも申し込みもできます。条件のいい物件は、曜日に関係なく申し込みが入ります。

土日祝は「特に注意」。それ以外は「安心」ではなく「少しだけ猶予があるかもしれない」程度に考えてください。

【正直な話】営業トークとして使う人もいます

ここは、同業として書くべきか迷いました。でも書きます。

そうでない場面で、営業トークとして使う営業マンもいます。

決断を早めさせるために使う。そういう使い方をする人が、いないとは言えません。

だから——読者側が、確認できるようになってほしいんです。

営業マンに、こう聞いてください

難しいことではありません。この4つを聞けば、状況が見えてきます。

①「他にも申し込みが入っているんですか?」

まずはこれです。 そして、返ってきた答えに対して、次の質問が効きます。

②「問い合わせが多いという意味ですか?それとも、実際に申込予定の方がいるんですか?」

ここが一番大事です。

「問い合わせがある」と「申し込みが入っている」は、まったく違います。

問い合わせは、資料請求や内見の相談の段階。まだ誰も決めていません。 一方、申し込みが入っているなら、その物件はもう動いています。

この2つを区別せずに「反響があります」と言われると、実際より切迫して聞こえます。 だから、分けて聞いてください。

③「内見できるのはいつ頃ですか?」

退去日と、その後の日程を確認します。 1週間後なのか、1か月後なのか。待つ期間が分かれば、リスクの大きさも見えます。

④「内見可能になるまで残る可能性は、低いと思いますか?」

営業マンの見立てを、正面から聞いてください。

ここで「分かりません」「正直、五分五分だと思います」と答えてくれる人は、信頼できます。必ず埋まると言い切る人は、根拠を確認したほうがいいです。

【最重要】「先行申込」と「先行契約」は別物です

ここは、申し込む前に必ず知っておいてください。

内見せずに進める方法には、2つの種類があります。 そして、キャンセルできるかどうかが真逆です。

先行申込先行契約
何をする?内見前に申し込みと審査を済ませる内見せずに契約まで済ませる
内見退去後に優先的にできるしないまま入居
イメージと違ったらキャンセルできるキャンセル扱いにならず「解約」になる
費用一般にキャンセル料はかからない短期違約金などが発生する可能性がある

「先行申込」なら、内見してイメージと違えばキャンセルできます。 優先的に内見させてもらえるうえに、他の人に取られるリスクも減らせる。リスクとリターンのバランスがいい方法です。

一方「先行契約」は、内見しないまま契約が成立します。 後から「違った」となっても、キャンセルではなく解約の扱いになります。

だから、必ずこう聞いてください

「これは先行申込ですか? 先行契約ですか?」

この一言で、自分が何を背負うのかが分かります。

ただし——先行申込を受け付けていない物件もあります。 物件によって対応が違うので、そこも含めて確認してください。

なお、先行申込であっても「そこに住む意思がある」ことが前提です。「とりあえず押さえておく」ための仕組みではない、という点は理解しておいてください。

内見せずに申し込むリスク

正直に書きます。空き予定での申し込みには、はっきりしたリスクがあります。

内見できないので、写真や360度パノラマ画像とイメージが違う可能性があります。

  • 部屋の広さの体感
  • 日当たり、窓からの眺め
  • 音(隣室、道路、上階)
  • においや、設備の実際の状態

画像で分かることには限界があります。

結局、2つの後悔のどちらを取るか

この問題は、最終的にここに行き着きます。

①内見しないで申し込み、入った後に後悔する ②内見まで待っている間に、他のお客様に申し込みされて後悔する

どちらを取るか、という選択です。

7つの条件に多く当てはまる物件ほど、②のリスクが現実的に高くなります。 「どちらも避けたい」は、成立しないことが多いです。

内見できなくても、確認できることはあります

「内見できない=何も分からない」ではありません。申し込む前に、これだけは確認してください。

①同じ建物の、似た間取りの部屋を見せてもらう

空室が他にあれば、同じ建物の別の部屋を内見できることがあります。 全く同じではなくても、設備の仕様、天井の高さ、窓の大きさ、共用部の状態は分かります。

同じ建物に空きがなければ、似た築年数・似た間取りの別物件でも参考になります。

②外から現地を見に行く

室内に入れなくても、外からできる確認はたくさんあります。

  • 駅からの実際の距離と道のり
  • 夜道の明るさ
  • 幹線道路や線路の騒音
  • 建物の外観、共用部の管理状態
  • 駐車場の広さ、雪の置き場

むしろ、これらは内見だけでは分からない部分です。 「昼間に内見して決めたけど、夜は暗くて怖かった」という話もあります。

内見できないなら、外から埋める。 これだけでリスクはかなり下がります。

「取られたくないから、とりあえず申し込む」はおすすめしません

ここは必ず読んでください。

「押さえるだけ押さえておこう」という気持ちは分かります。 でも、申し込みの後に何が起きるかを知らないまま進めるのは危険です。

申し込み後のキャンセルの扱いや、契約が成立するタイミングは、物件や手続きによって異なります。

だから、内見できない状態で申し込むなら、この3つを先に確認してください。

  1. いつから、キャンセルできなくなりますか?
  2. 契約金は、いつ必要になりますか?
  3. 審査や契約の手続きは、どういう流れになりますか?

「申し込み」と「契約」は別物です。 ただし、どの段階で後戻りできなくなるかは、確認しないと分かりません。

押さえるつもりが、気づいたら契約していた。 これが一番よくないパターンです。

部屋を決める前に、人を決める

空き予定の物件は内見できない以上、担当者が持っている情報の価値が大きくなります。

だからこそ、見てほしいのはこの3つです。

  • デメリットも説明してくれるか
  • 分からないことを「分からない」と言えるか
  • 必要以上に急かしてこないか

部屋を決める前に、人を決める。

内見なしで申し込む可能性があるなら、これは意外と大切です。

よくある質問

Q. 空き予定の物件は、内見できないのですか? A. 前の入居者が退去するまでは、基本的に室内を見ることができません。退去後の日程によっては、内見できるようになるまで数週間かかることもあります。

Q. 「問い合わせが多い」と言われたら、急ぐべきですか?
A. 問い合わせと申し込みは別物です。 「実際に申込予定の方がいるのか」を確認してください。問い合わせだけなら、まだ誰も決めていません。

Q. 内見できないまま申し込むのは危険ですか?
A. 室内の状態を確認できないというリスクはあります。ただし条件のいい物件では、待っている間に決まってしまうこともあります。どちらのリスクを取るかの判断になります。

Q. 先行申込と先行契約は、どう違いますか?
A. 先行申込は内見前に申し込みと審査だけを済ませる方法で、内見後にイメージが違えばキャンセルできます。先行契約は内見せずに契約まで済ませる方法で、後からの取り消しは解約扱いになります。どちらなのかを必ず確認してください。

Q. 申し込んだ後にキャンセルできますか?
A. 先行申込なら可能なケースが多いですが、先行契約の場合はキャンセルではなく解約の扱いになります。 短期違約金が発生する可能性もあるので、申し込み前に確認してください。

Q. 繁忙期以外でも、空き予定で決まりますか?
A. あります。7つの条件に多く当てはまる物件は、時期に関係なく動きが早いです。

まとめ

ポイント内容
空き予定での申し込み繁忙期は日常。条件次第では他の時期も
動きが早い条件都市ガス/エアコン付き/築15年以内/駅徒歩7分以内/割安(+3LDK/駐車場2台)
目安3つ以上重なると動きが早い。ただし「必ず決まる」ではない
曜日土日祝は特に注意。平日が安全という意味ではない
聞くべきこと問い合わせなのか、申し込みなのか
必ず確認先行申込か、先行契約か(キャンセルの可否が真逆)
内見できなくても似た間取りの部屋を見る/外から現地を確認する
申し込む前にいつからキャンセルできなくなるかを確認
判断の本質「見ずに後悔」か「待って取られて後悔」か

「空き予定でも申し込みが入ります」は、多くの場合、本当です。

でも——「全部の物件がすぐ決まる」は、本当ではありません。

だからこそ、7つの条件で自分なりに判断して、分からないことは営業マンに確認してください。 それができれば、急かされて決めることも、迷って逃すこともなくなります。

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