北海道の賃貸、暖房の種類で冬の光熱費は倍変わります|灯油・ガス・オール電化を現役営業マンが比較

一人暮らし

この記事を書いた人: 現役不動産賃貸仲介営業マン|札幌で冬の光熱費の相談を毎年受けています。

この記事でわかること

  • 北海道の賃貸で使われる暖房の種類と、それぞれの冬の光熱費の目安
  • ガス暖房の賃貸で必ず確認すべき「ガスリミット」と「ガス単価表」
  • オール電化の賃貸が「高い」だけでなく「寒い」と言われる理由
  • 内見のときに営業マンへ聞くべき質問と、その反応で分かること

ガス暖房の物件は、料金の上限があるか確認してください

暖房にガスを使う物件の場合、冬の請求額は使用量で大きく動きます。北海道の冬は、給湯だけでなく暖房でもガスを焚くためです。

そこで確認してほしいのが、料金の上限があるかどうかです。

プロパンガスの物件には、月の料金に上限が設定されているものがあります。ガスリミット、あるいはガス定額プランと呼ばれます。上限は1万2千円から1万5千円くらいが多い印象です。

上限がある物件は、どれだけ焚いても請求がそこで止まります。暖房でガスを使う物件ほど、この差が効いてきます。

ただし、上限がある物件は、もともとのガス単価が高めに設定されているケースが多いです。だから「上限があるから安い」とは限りません。判断するには、その物件のガス単価表を見る必要があります。

上限の有無をどう判断するか、単価表のどこを見るか、北海道の平均はいくらなのか。ここは別の記事にまとめました。暖房がガスの物件を検討している方は、こちらも読んでください。

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北海道の賃貸で使われる暖房の種類は3つ

まず、北海道の賃貸物件で使われている暖房の種類を整理します。

  • 灯油ストーブ(FF式など。北海道で最も多い)
  • ガス暖房(都市ガスまたはプロパンガス)
  • 電気暖房・オール電化(蓄熱暖房、パネルヒーターなど)

北海道庁の調査では、使用している暖房器具はストーブ類が8割強、エアコンは2割弱。札幌で最も多いのは灯油ストーブです。

本州の「エアコン暖房で冬を越す」感覚は、北海道では通用しません。 ここが道外から来る人の最初のつまずきポイントです。

前提:北海道の光熱費は全国と別物です

総務省の家計調査(2024年)によると、北海道・東北地域の単身世帯の光熱費は月平均16,962円。全国平均が12,816円なので、4,000円ほど高い計算です。電気代だけで見ても、2024年1月の北海道平均は15,967円で、全国平均より3,500円以上高くなっています。

暖房の種類別|冬の光熱費はいくらかかるか

一人暮らし・単身向け物件を想定した、冬(12〜2月)の目安です。部屋の広さ、断熱性能、在宅時間で大きく変わるので、幅を持って見てください。

灯油ストーブの暖房費:月3,000〜7,000円

暖房の種類で見ると、いちばん安く上がりやすいのが灯油です。 暖房能力も高く、しっかり温まります。

ただし条件次第で跳ね上がります。窓が大きい部屋、断熱の弱い古い物件、在宅時間が長い人だと、月15,000円を超える試算もあります。「灯油だから安心」ではなく、「灯油+部屋の性能」で決まると思ってください。

手間の面では、給油作業が発生します。ポリタンクを運ぶ、灯油を買いに行く、雪の中それをやる。金額に表れないコストがここにあります。

ガス暖房の暖房費:月8,000〜10,000円、場合によっては2万円近く

金額の振れ幅がいちばん大きいのがガス暖房です。 使い方次第で2万円近い請求が来ることもあります。

そしてガス暖房の賃貸では、都市ガスかプロパンガスかで話がまったく変わります。 確認すべきポイントが2つあるので、次の章で詳しく解説します。この記事で一番大事なパートです。

オール電化・電気暖房の暖房費:月11,000〜15,000円

データ上は月11,000円前後、実際の声では「札幌のアパートで一人暮らしなら15,000円くらい」というものもあります。

ただ、金額以上に伝えたいことが2つあります。こちらも後の章で解説します。

ガス暖房の賃貸で確認すべき「ガスリミット」と「ガス単価表」

ここが、この記事で一番読んでほしいところです。

①ガスリミット・ガス定額があるか

ガス暖房の賃貸物件には、冬期のガス代に上限が設定されている「ガスリミット」の物件や、定額制になっている物件があります。

上限があれば、どれだけ寒い月でもそれ以上は請求されません。冬の家計が読めるので、大きな安心材料です。

ただし——ガスの定額制は、かえって損をすることもあります。 在宅時間が短い人、あまり暖房を使わない人だと、使っていない分まで払うことになるからです。「定額=お得」ではありません。自分の生活スタイルと照らして判断してください。

②入居前に「ガス単価表」を見せてもらう

こちらのほうが、より確実な確認方法です。

プロパンガスの価格は、ガス業者が自由に決めているケースがほとんどです。 つまり同じプロパンガスの物件でも、業者が違えば単価が違う。「プロパンだから高い」ではなく、「その業者がいくらに設定しているか」で決まります。

だから、ガスの単価表を見せてもらってください。基本料金がいくらで、1㎥あたりいくらなのか。これは仲介の営業マンに聞けば、必ずわかることです。

※プロパンガスと都市ガスの構造的な違いは、こちらで詳しく解説しています。

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③この確認を嫌がる営業マンは、信用しないでください

ここは、同業として書くべきか迷いました。でも書きます。

ガス単価表の確認を面倒くさがる、あるいは「わからない」と言う営業マンがいたら、理由は2つに1つです。

ひとつは、あなたが引っ越した後のことを考えていない。契約が取れればそれで終わり、という仕事の仕方をしている人です。

もうひとつは、その物件の広告料が高く、隠してでもその物件で決めてほしいというケース。ガス代が高いことを知られたら、お客さんが他の物件に流れてしまうからです。

どちらにしても、あなたの引っ越しを任せる相手ではありません。大事な引っ越しです。担当を変えてもらうか、別の会社を当たったほうが無難だと思います。

聞くのは失礼でも何でもありません。当然の確認です。

オール電化の賃貸で知っておくべき2つのこと

①オール電化がお得な時代では、なくなってきました

かつては「オール電化=光熱費が安い」というイメージがありました。夜間電力が安く、それを活かせる設計だったからです。

でも、電気代そのものが上がってきた今、その前提が崩れつつあります。 「オール電化だから安心」で決めると、冬の請求書で驚くことになります。

②オール電化の賃貸は「寒い」と言われます

これは住んだ人にしかわからない部分なので、はっきり書いておきます。

電気暖房は、ガスや灯油に比べて温まりにくいことがほとんどです。

暖房をつけているのに、なんとなく肌寒い。設定温度は上げているのに、体感が追いつかない。真冬にこれを味わうのは、正直きついです。

特に、寒がりな人は要注意です。 「金額は多少高くてもいいから、とにかく暖かい部屋がいい」という人は、オール電化の物件は候補から外したほうがいいと思います。逆に、寒さに強くて日中ほとんど家にいない人なら、そこまで問題にならないこともあります。

金額の比較表には絶対に出てこない情報ですが、実際に住む人にとっては、こちらのほうが重要かもしれません。

なお、オール電化の物件でも、電気の契約プランは入居者が自由に選べます。 すでにオール電化に住んでいて電気代に困っている人は、プランの見直しで下がる余地があります。

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内見のときに聞くべき3つの質問

まとめると、営業マンに聞くべきことはこの3つです。

  1. この物件の暖房は何ですか?(灯油/ガス/電気。ガスなら都市ガスかプロパンガスか)
  2. ガスリミットや定額はありますか?(ある場合、上限はいくらか)
  3. ガスの単価表を見せてもらえますか?(基本料金と1㎥あたりの単価)

3つとも、その場か、確認して折り返しで必ず答えが出るものです。遠慮する必要はまったくありません。

よくある質問

Q. 北海道の賃貸で一番安い暖房の種類は?

A. 一般的には灯油ストーブが最も安く上がりやすいです。ただし部屋の断熱性能や在宅時間で大きく変わるため、「灯油なら安い」と決めつけないでください。

Q. ガスリミットがある物件を選べば安心ですか?

A. 使いすぎのリスクは減りますが、上限がある物件は単価が高めに設定されていることが多いです。上限の金額と単価の両方を見ないと判断できません。詳しくは「都市ガス物件が見つからないときの3つの選択肢」にまとめています。

Q. オール電化の賃貸は本当に高いですか?

A. 電気代が上がっている現在、以前のような割安感は薄れています。加えて、ガスや灯油より温まりにくいという体感の問題もあります。

Q. 暖房の種類はどこで確認できますか?

A. 募集図面の設備欄に記載があります。分からなければ、内見のときに営業マンに聞けばその場で分かります。

まとめ:募集図面の「暖房の種類」を見てください

暖房の種類冬の光熱費の目安契約前に確認すること
灯油ストーブ月3,000〜7,000円給油の手間。断熱が弱い部屋だと跳ね上がる
ガス暖房月8,000〜10,000円(2万円近くも)ガスリミット・定額の有無、ガス単価表
オール電化・電気暖房月11,000〜15,000円金額に加えて「温まりにくさ」の許容度

暖房の種類は、募集図面の設備欄に書いてあります。内見のときに「これ暖房は何ですか」と聞けば、その場でわかります。

家賃を3,000円下げる交渉より、暖房の種類を確認するほうが、北海道の冬の家計には効きます。 部屋探しのチェックリストに、ひとつ足してください。

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